昨日ミルフォードサウンドへの一日観光へ向かうツアーバスがモスバーンという小さな村近郊で横転して、乗客に怪我人が多数出たことのニュースがありました。この横転事故の原因は道路上にブラックアイスが付いていた為でした。
このニュージーランドの冬の冷え込んだ朝などには良く見られる自然現象ですが、日本の人には少し馴染みの無い言葉"BlackIce”=ブラックアイスという言葉が頻繁に道路情報などで使われます。これは道路上に薄い氷の膜が付いて、それがまるで雨が降った後のようにアスファルトの道路が黒くなっていることから名付けられたと思いますが、一般的には車を運転している際に道路がこのブラックアイスで覆われていてもそれが氷だとは分からず、雪または霜の溶けた後?もしくは日陰のところだからそのように湿って見えるだけ?とかと思ってしまいます。まして夜間は全くこのブラックアイスは高速で車を走らせていたら見えないでしょう。
この道路がブラックアイスで覆われている状態が先週から低温状態が続いているクイーンズタウンやニュージーランド南島全体で見られます。これからレンタカーなどでニュージーランドの南島を観光しに来ようと思っている方はこのブラックアイスには十分ご注意ください。このようないわゆる凍結している道路を走る場合、その地点のかなり手前から道路標識で”ICE”とか"ICE Grit"という黄色い注意標識が出てきますので走行速度を十分減速するよう心がけましょう。
昨日の事故もこのブラックアイス上で恐らく加速した為後輪が滑って、制御不能に陥ったと思いますが、長い直線の道路でもこのブラックアイスで滑る、横転することは良く見られます。昨日の事故現場であるモスバーンというところは何も山岳地帯でもなく、日陰になっているカーブの続く道路でもありません。それでもこのブラックアイスは冷え込んだ朝には道路上に溶け切らずに良く残っています。恐らく誰もが雪が残っている山道やスキー場への道では十分スリップを予想した運転をすると思いますが、意外とこの冬の事故ではモスバーンのような開けた、平坦な道がズーット直線で続くようなところで起こっていたりします。ミルフォードサウンドまでの道のりでクイーンズタウンからテアナウまでとか、テアナウを出てからフィヨルドランド国立公園に入るまでの道、またはテカポやマウントクックまでにいたる国道8号線や、国道80号線は冬でも大半が直線の乾いた道になり時速100kmで走れます。しかし時折日陰のカーブが出てきたり、数十mばかり暴風林が道路沿いに続く為その日陰のところが出てきたりするとその部分だけブラックアイスで覆われていたりするのが典型的な冷え込んだ朝の道路状況です。その場所まで時速100kmで巡航運転していて何事も無かったから前方に少し湿ったように見える道路が出てきてもなかかな速度を落とさないで通りすぎるのが普通の考えだと思います。けれどこの速度で氷の上で少しでも滑ると全く制御不能に陥ることは確実です。実際に私はこれまで何度もこのモスバーン周辺やテアナウ周辺、またはテカポ周辺などで冬場横転している車を見てきました。氷の上ですから4WDの車でも一緒です。多少2WD車より後輪だけが滑ることは無いとか、ハンドルを取られるほどまでにはならないかもしれませんが、高速で滑り出すと4WDもとことん滑っていきます。これにパニックブレーキなどを踏んだりするとABSが付いていようと、あっという間に路肩などに乗り上げ車が横転することになるでしょう。道路標識で”ICE”の標識が目に入ったらいつでも減速できる心構えで運転することを勧めます。
Care urged after bus crash | Otago Daily Times Online News : Otago, South Island, New Zealand & International News
(昨日の7月5日ミルフォードサウンドへ向かうツアーバスがモスバーン近くで横転事故を起こしたニュース)
(2008年8月の夜中AM01:00ぐらいにオールブラックスのゲーム観戦後クイーンズタウンまで戻る途中のカワラウ川沿いの道でブラックアイスに乗り土手に激突、横転して大破した私のハイエース。)