ニュージーランドも12月に入るといろいろな色とりどりの花が見られるようになります。主に目につく黄色い花のエニシダや紫、ピンクのルピナスなどは海外から持ち込まれた外来種ですが、さすがに原生林が残る森の中ではNZ固有種の花も見られるようになります。ここに12月に入ってルートバーントラックもしくはミルフォードサウンドへの道のりの原生林の森の中で見られた花と変わったキノコを紹介します。
マウントクックの周辺には森はほとんどなく、そんなところにもNZ原生種の高原植物の花が咲く時期が11月から12月です。マウントクックリリーやマウンテンデイジーなどが白い花を咲かせて日本からやってきているハイカーを喜ばせていますが、ミルフォードサウンドやクイーンズタウン周辺の原生の森の中でも小さな花をこの時期咲かせています。
NZ固有種の花はほとんどがクリーム色か白色系ですが、それでも森の深緑の中では目立つ色となり見つけやすい色となりますが、花がとても小さくて、しかも周りの緑に紛れてしまうような花を咲かせているとなかなか気づかずに通り過ぎてしまいがちです。そんな小さな、そして緑の花を咲かすランがNZの原生の森にも咲いています。
またこの夏を迎える時期だけ、しかも特定の木にだけしか付かない変わったキノコもNZ固有のブナの森では見られる時期でもあります。12月に入ってからルートバーントラックの道のりでは銀ブナの下を歩いていると黄色い球状のキノコを見つけるでしょう。キノコには見られない形の変わったキノコです。是非この時期に原生林の森の中でかわいらしい、変わったNZ固有の花やキノコを見つけてみて下さい。
(12月に入ってルートバーン渓谷の中では小さなスレンダーフォレストオーキッド(SlenderForestOrchid)という小さなランが咲き乱れています。咲き乱れているけど花の大きさが2㎝弱ととても小さく、苔むした森の中に緑の花を咲かせているので見逃してしまいそうです。)
(上のスレンダーフォレストオーキッドが開花する1週間前につぼみの状態を撮った写真。このランも開花時期は短く、12月下旬には見られなくなるでしょう。)
(12月にNZ原生林の森の中で最も多くみられるランはこのグリーンフードオーキッド(GreenhoodOrchid)でしょう。たくさん咲いているのですが、これまた苔むした林床に緑色の花ということで見落としがちです。)
(ミルフォードサウンドへ観光バスツアーなどで参加すると必ずミルフォードサウンドの手前で立ち寄るキャズム(TheChasm)という遊歩道でもNZ固有の花が見られたりします。このピントの合ってない写真は12月7日にミルフォードサウンドへと向かった際にキャズムで見つけたアヤメ(フォレストアイリス)です。)
(12月にルートバーントラックを始めNZ南島のブナの原生林の森の中を歩いていると時折その道にこのような球状の黄色い物体を見つけるでしょう。これは実は地面から育っているのではなく、頭上の木の枝などからたくさん落ちてきているのですが、キノコの一種です。)
(この黄色い球状の物体はイチゴのような形とぶなの木、しかも生きてる銀ブナ(シルバービーチ)にしか寄生しないビーチストロベリー(BeechStrawberry)という名前がついているキノコです。)