2013年6月23日日曜日

テカポに閉じ込められた2日間

 ニュージーランドは6月20日の夕方から21日にかけて大寒波がもたらした被害が全国に及びました。強風、大雨、そして大雪による停電、土砂崩れ、道路冠水、川の増水、そして雪による道路閉鎖がいたるところでみられたのですが、その寒波が去った後の6月23日の今日でもまだ道路閉鎖が続いているところもあります。その中私はテカポに2日間閉じ込められました。

この大寒波は毎年あるわけではなく、テカポのホテルの人も’これほどの雪は10年ここに住んでいて初めての経験’と言わしめるような珍しいことでもありました。まして前日までにはTVやラジオのニュースでこの大寒波がやってくることは報道され、それに対する備えが喚起されていました。だからこれからニュージーランドにやってこようと考えている人がたまたまテカポのことを調べているうちにこのブログに差し掛かっても、この事態はめったに出会えるものではないことを了承していただきたい。それでもこれからテカポやマウントクック、クイーンズタウンにレンタカーなどでやってこようと考えている人にはちょっと為になる情報も載せてますので読んでくれてもいいと思います。

私はテカポからクライストチャーチまでの送迎の依頼を受け18日の夕方にテカポに到着。その晩は星空ツアーも行われるほどの快晴の夜を迎え、19日の早朝も氷点下にならなかったのでなんら支障なくお客さんをクライストチャーチ空港まで送り届け、その日のうちにクイーンズタウンまで戻るには850kmほどの長距離走行となるためテカポに2連泊することに事前にGodleyホテルも予約をしていました。

19日の午後から雨が降り始め、テカポに戻ってきてもまだ雪は降り始めてなかったのですが、夕方5時ぐらいから雪に変わりその後は深々と雪が降り続くこととなりました。一晩で1mほどの雪が積もったでしょう。一晩開けた20日にはどこもかも雪で埋もれた状態。そしてその雪もまだまだ降り続いている状態。日本の雪国ではこんなことが冬の毎日の光景になるかもしれませんが、ニュージーランドではめったに見られるものではありません。この日と翌日21日にかけては断続的だけど雪が降り続けることとなりました。

私はホテルに泊まっていたので部屋は暖房も効いて快適に過ごせ、テカポの町のお店やスーパーマーケット、カフェなどはオープンされたので食べるものにも事欠かない状態だったのですが、雪のため道路や遊歩道はどこも埋もれてしまい出歩くことができない。国道は除雪が行われるけど断続的に降る雪が瞬く間に10㎝程は積もることとなり部屋やホテルのロビー周辺をうろうろすることだけとなりました。

またテカポの町全体的にデジタルTV電波が届かなくなりTVは見られない状態となります。ただしホテルが提供するビデオは見ることができ、ラジオは聞ける状態だったのですが特に情報収集と暇つぶしにはスマートフォンが役に立ちました。

私はテカポからクイーンズタウンに戻る道路情報が必要だったので次の3つの情報源を常にスマートフォンでチェックをしていました。1,日本での道路公団のような NZ Transport Agency(NZTA)の南島の道路情報 http://www.nzta.govt.nz/traffic/current-conditions/highway-info/road/8373/south-island.html
2,日本でのJAFのような民間団体 AAの道路情報ぺージ http://maps.aa.co.nz/traffic/roadwatch
以上の2つのサイトを知っていれば時前にNZでの道路状況は分かると思います。ただし身近な場所の道路状況はやはり地元の人に聞くことです。今回の場合はやはりホテルのフロントの人、もしくはガソリンスタンドの人、そして実際除雪作業をしている人などに聞くことが手っ取り早いものです。私の場合はテカポ周辺だけでなくその先のクイーンズタウンまでの道路状況も必要だったので、これには3,クイーンズタウンの市役所的なQueenstownLakesDistrictCouncilが提供する情報を見てました。他の町と違って観光の町のクイーンズタウンはこのような観光客への情報提供も結構整っていてTwitter(https://twitter.com/qldccoms)Facebook(http://www.facebook.com/QLDCinfo?ref=ts)で道路状況なども分かります。上記の2つの情報よりかなり早めに、そして詳しい状況が分かるので日頃この情報を頼りにしていますが、今回も役に立ちました。


(6月18日夕方にはきれいな雪化粧がまだ楽しめるテカポのGodleyホテルの部屋からの景色)


(6月20日AM8:30には雪が一晩降り積もりすっかり変わってしまったGodleyホテルの同じ部屋からの景色)


(6月21日AM9:00、ホテルの駐車場には50cmほどの雪が積もった為、車をここから出すための雪かきは後で筋肉痛が残るほどの一仕事でした。)


(6月21日PM16:30 善き羊飼いの教会も雪で埋もれてしまいました。断続的に雪は降り続いたのですが、それでも雪が降り止むひとときにはテカポに缶詰めになり暇を持て余す観光客がやってきてました。町からここまで一応道路上は除雪がされていますが、遊歩道や脇道にはたんまり雪が積もっているので歩いて入っていくことはできません。)


(6月22日AM9:50 テカポの町の中心の様子。一晩かけて再び20cmほどの積雪があり町の中の国道8号線も除雪はされているけどスノーチェーンは必要の状態。この中西へと向けてとりあえずテカポを離れることを決行します。)


(6月22日AM11:00 テカポを離れてしばらくはこのような危なっかしい道路状態が続いたのですが、4WDの車なら難なく走れます。そしてしばらく走るとしっかり除雪された乾燥路面を走ることができるようになりました。しかしテカポから東への道のり=クライストチャーチへの道のりは50kmほどこの状態が続いたそうです。)


(6月19日の夕方から6月22日午後までニュージーランドの南島の道路状況はこのような状態が続きました。赤いところはすべて道路閉鎖になったところです。テカポからクイーンズタウンへはどの迂回路を通っても閉鎖区間に差し掛かるためテカポに2日間とどまることにしましたが、3日目の昼には国道8号線のリンディスパスがオープンとなり、無事22日の午後にはクイーンズタウンへと戻ることができました。)
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