2012年11月20日火曜日

ニュージーランドのルピナスは雑草

 マウントクック周辺では今年も色鮮やかなルピナスの花が見られるようになって来ています。テカポからマウントクック、そしてクイーンズタウンまでの国道沿いはこれから1ヶ月ぐらいの間”ルピナス街道”とも言える道に変わり、どこまでもこのパープル、ピンク、ブルーの色鮮やかな花を咲かせた姿が見られるようになります。けれどこのルピナス、実はニュージーランドでは雑草扱いされています。

 ルピナス、ルーピン、またラッセルルーピン、そして昇り藤とも呼ばれるこの花はニュージーランド固有の花ではなく、開拓者が北米から持ち込んだ外来種ですが、当初は園芸用に持ち込まれたのも今やニュージーランド国内にはびこり、春から初夏にかけて高原地帯の国道沿いにこの花が咲き乱れる姿が観光客には喜ばれています。けれどこの花ははびこりすぎて牧草の土地を奪うからとかNZ固有の植物を駆逐してしますからということで雑草扱いとなって、牧場では除草剤もまいています。だから牧場として使われていない道路わきや河原などにはこのルピナスがたくさん見られます。

 テカポのこのルピナスはとても有名で、良く観光ガイドブックのグラビアにはこのルピナスの花が咲き乱れるテカポ湖畔の姿が見られますが、同じ高原地帯であるマウントクックの国立公園内にはこのルピナスの花が見られません。昔はこのマウントクック国立公園内にもたくさんルピナスが見られて、ルピナスとマウントクックが一緒に写っているグラビアなどが観光ツアーのパンフレットの表紙を飾ることもありました。けれど1990年代から行われ始めた国立公園内での外来種である植物、または動物も含めての地道な駆除作業が成果を現しています。

 だからこれからニュージーランドに観光で来られる人はこのルピナスをマウントクック以外ではたくさん見ることができるでしょう。同じ国立公園であるフィヨルドランド国立公園ではこのルピナスの駆除作業が上手く働いていないので、どんどんと渓谷の奥まではびこるようになっています。テカポの周辺でルピナスを見られない場合でもミルフォードサウンドへの道のりではこの1ヶ月ぐらいはルピナス畑状態のエグリントン川の河原が見られるようになります。


(11月19日プカキ湖畔に咲き始めたルピナス。遠景はマウントクック。この辺りがルピナスもまだ見られるところ。ここからマウントクック国立公園内に近づくとこのルピナスの花は見られなくなります。)


(11月19日 テカポからクイーンズタウンまで通じる国道沿いはルピナス街道になります。オマラマ近郊に流れるアウリリ川の河原や中洲はこのルピナスが咲き乱れます。)
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