マウントクックには多くの人が日中に立ち寄るだけで、その後クイーンズタウンやクライストチャーチなどへと向かうことが多いと知られていますが、その大部分もハーミテージホテルでランチを取るだけ、または少し時間がある人がフッカーバレートラックやケアポイントトラックを歩くパターンが多くて、ちょっと離れた場所にあるタスマン氷河を見に行く人は少なかったのが、その道路が間もなく舗装化され車で行きやすくなり、来シーズンぐらいからかなり観光客がやってきそうな感じがします。
このマウントクック周辺、または南半球で南極以外の場所では最大となるタスマン氷河への道路はこれまで舗装化されていない砂利道で、途中は細くて、ガードレールもなく、見通しも悪い山壁の曲がりくねった道を走らなければならなかったためレンタカー会社の中では保険のきかない危険な道と指定されていたこともあるのですが、その山壁の道が無くなり、山肌の麓の平らな谷底の道が新たに作られ、そしてその部分も含めてタスマンバレーの奥まで舗装化工事が現在行われています。
これまではこのタスマン氷河の末端部分にできている氷河湖まで行くような人は、その氷河湖の上をボートに乗って観光するグレイシャー・エクスプローラーのツアーに参加するぐらいだったのが、この道路舗装化によりレンタカーでマウントクックへと訪れる人にとっては非常に行きやすくて、人気のスポットになって行きそうです。
この道路の突当りにはタスマン氷河湖を見晴らせるがれきの岩山の上までの遊歩道があって、駐車場から15分ぐらいの道のりでタスマン氷河湖の大パノラマを見晴らせることができます。時にはこの氷河湖の上に大小さまざまのタスマン氷河から崩れて湖の上を漂流してきている氷山の姿も見られます。マウントクックでお気軽ハイキング路として知られるケアポイントの遊歩道は最低30分ぐらいは片道歩かなければならないのですが、こっちのタスマン氷河湖ルックアウトまでの道のりは少しきつい登りですが、10分ぐらい頑張ったら雄大な景色が目の前に広がるところまで行けるため、結構小さな子供連れの家族連れがやって来ていたりします。
日本からのパッケージツアーに参加したらこのタスマン氷河の姿を見ることはまずないと思いますが、レンタカーでマウントクックへと立ち寄るならぜひこのタスマンバレーのほうも立ち寄ることをお勧めします。
(マウントクックへの道の村に入る少し手前にタスマンバレーへと向かう道があります。4月23日の段階ではまだここは舗装化工事が行われている最中でした。)
(タスマンバレーの途中の道はすでに舗装化されています。この左側の山肌少し上に昔の道はありました。けれど今ではこのような平らな広々とした舗装道路になっています。)
(タスマンバレーへの道路の突当りの駐車場も拡張&整備されて見違えるような場所になっていました。未舗装だった頃にはこの駐車場までやってきただけで土煙で車がドロドロになっていたのもこれからは快適にここまでやって来れそうです。)
(この駐車場からタスマン氷河湖を見下ろす見晴らし台となるルックアウトまで15分という標識の案内が出ています。ここには水洗トイレもあります。)
(歩き始めてから少しの間は非常に緩やかなスロープの道。小さな子供やお年寄りでも安心して歩けます。しかしそのお気軽コースもすぐに変わって、急な階段状の道を登って行くようになります。けれど本当に10分ぐらいの我慢です。以前私は2歳の女の子と一緒に最後まで歩いて登ったことがあります。)
(タスマン氷河湖ルックアウトまでの最後の部分は氷河が実際押し流して、そして盛り土とさせた岩場の道のりとなります。足元には十分気を付けて上り下りしてください。)
(ルックアウトからは雄大なパノラマを楽しめます。この日は雲で隠れてましたが、左手前方にはマウントクックの頂上だけ晴れていたら見ることも出きます。)
(4月23日 タスマン氷河湖ルックアウトからのパノラマ風景)