今日11/20はクイーンズタウンに長く居る人にとっては忘れられない日です。10年前のこの日クイーンズタウンは大洪水に見舞われました。
10年前の11月、3日間ズーット降り続いた大雨の影響でワカティプ湖の水が溢れて湖に面する街の中心地は水没することになりました。これにより多く商店、レストラン、そして今のノボテルホテル、パークロイヤルホテルなどの湖に面するホテルなどは床上1mほどまで水につかり、多大な損害が出ました。これでつぶれたお店も多く、水が引いてからも年の明けた1月にも営業が出来ないレストランなども多く出ました。
(湖畔にあるこの洪水を記録した記念碑。2本の銀色バンドの上のところまで水位が上がった。今日はこれに水位が分かるように白いテープが湖畔には張り巡らされた。)
この大雨の被害は街の中心地だけだけでなく、このクイーンズタウンへと通じる主な道路はいたるところで土砂崩れ、道路の陥没などにより、一時クイーンズタウンは陸の孤島に陥りました。その当時はこの街に大きなスーパーマーケットは無かったのですが、小さなスーパーの棚からは牛乳、パン、そしてミネラルウォーターがすぐさま姿を消し、1週間ぐらいは生鮮食料は手に入らないようになりました。
この影響は地元住民だけではなくたまたまその日にやって来ていた旅行者にも出ました。バスでこの街を出て行くことが出来なくなり、空港も何日か閉鎖の後、飛行機が飛び始めても予約が殺到して多くの旅行者はホテルに缶詰状態になりました。旅行者もかわいそうでしたが、泊めるホテル側もかわいそうにお客に出すことが出来る食料品がどんどん底を付くことにもなりました。
この大雨、大洪水はこのクイーンズタウンだけを襲ったわけではなくお隣のワナカも町の大半はワナカ湖からの水が同じく溢れて水没。このワナカにあるエッジウォーターリゾートに泊まっていたお客さんを予定から3日遅れてクイーンズタウンに連れてきたのですが、その道のりは通常の道を大きく迂回することになりました。エッジウォーターリゾートは少し湖面から高いところに建っているのでその建物には影響が無かったのですが、3日間敷地内からどこにも出ることが出来無かったそのお客はおかげで全ての宿泊者と友達になれ、敷地内の隅から隅まで知り尽くすことが出来たということでした。
ニュージーランドの南島の山肌にはもともとあまり土が付いていない為雨が降った後は直ぐに川の水量は増えるのですが、雨が止めばあっという間に水位も下がるといった具合です。この日はこの川の水もあっという間にそれまでの記録を塗り替えるほどに増水しました。街に流れる普段は小さな小川もそのときは濁流に変わり、普段は流れていない街の周りの山肌からも幾本もの土砂交じりの滝が流れ出す始末。私はその日2車線の道路幅一杯にまで広がった土石流にも遭遇し、あわてて車をUターンさせて高いところに逃げるようなこともありました。
道路にまで溢れた雨の水などにより大きな水溜りがいたるところに現れ、その中を多くの人は車で突っ切って行った為、排気口から水をエンジンの中まで入れてしまいエンジンを壊した車が続出することにもなりました。
(ショットオーバージェットを行う川も1999年のそのときは記録的な大増水。それを示すサイン。私はそのときこの川の姿を見に来ましたが、それはそれはすさまじいものでした。)
今年のクイーンズタウンはそんなことが夢に思われるぐらい乾燥した日となりました。
(10年前の大洪水のことを伝えるクイーンズタウンの週刊紙MountainSceneのオンラインページ)
2009年11月20日金曜日
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