2014年1月3日金曜日

ニュージーランドファルコンの襲撃にご注意

 ニュージーランドのアウトドアーでは人間を襲う動物などが一切いないので、トレッキングやマス釣りなどでは蛇や熊やオオカミ、クロコダイルなどのことを全く考えなくてもいいところです。ニュージーランドにもともといた動物は鳥だけだったということも幸いしているのですが、時と場所によってはこのNZにしかいない鳥の中で唯一の猛禽類であるハヤブサ=ニュージーランドファルコンの襲撃に出会うことがあるかもしれません。実際先日マス釣りに行く途中でこのNZファルコンの襲撃に出くわしました。

 このNZファルコン(ハヤブサ)はニュージーランドの20ドル札にも描かれているニュージーランドの鳥の中ではキーウィバードと同等一般には愛されている鳥です。私もNZの鳥の中ではトップ5に入る好きな鳥です。NZの北島、南島ともに生息しているということですが、その数はキーウィバードの数よりも断然少なく8000羽あまりだと言われています。これまで私がこのNZファルコンを見かけたのはクイーンズタウンの町の裏山であるベンロモンド山の森の上を飛んでいるのを何度か、またギブストンバレーワイナリーのある谷間で数回、そしてマウントクックでも何度か村の中でも見られます。そしてグレノーキーのマウントアルフレッドの森の中で2度と、今回はその近くのルートーバーンの川の下流にて牧場の中を歩いて抜けようとしていたら襲撃されました。しかもつがいの2羽からの連続攻撃に出くわしました。襲撃されたのはマウントアルフレッドの森の中に続いて2回だけで、ともに彼らの縄張りに私が誤って入って行ったことと恐らく巣が近くにあったのでしょう。ふだんはこのような人間を襲うことを習性としている鳥ではありません。

 NZファルコンは他の同種のハヤブサと同じく木の上に巣を作ることはしません。地上に巣らしきものを作りそこに卵を産み、子育てもそこで行います。おそらく牧場の中にでもそのつがいの巣があったのでしょう。それを守るための威嚇行為として襲撃されたのですが、さすがに鳥の中で最も早く飛び、猛禽類ということでその襲撃は本当に電光石火のものでした。恐らく初めて襲撃に会うと何に襲われたのかもわからないでしょう。背後の頭上から音もなく(ほんとに直前まで羽根の風切り音さえ聞こえません)やってきて頭のすぐ近くで方向変換、そしてやっと飛び去る際に発するケッケッケッという鳴き声でやっと襲われたことが分かるでしょう。これで立ち去らなくてさらに巣に近づいたり、縄張りから出ていかないと何度も襲撃を食らうことになるでしょう。

 クイーンズタウン周辺では過去にもグレノーキーの周辺のトレッキングルート、特にリース&ダートトラックのリースバレーでこのNZファルコンの襲撃がよくありました。やはりそれも12月,1月の子育ての時期です。これからこの辺りをトレッキングやマス釣りにやって来られる方はご注意ください。対処方法は自分の頭より高くなるものを掲げておくことです。ハヤブサは地面から一番高いところを襲ってきます。トレッキングの場合はスティック、マス釣りの場合は釣竿を頭上より高く掲げながら通り抜けましょう。このような棒になるもの=枯れ枝などを頭上に掲げるかザックを頭の上に載せて通り抜ければいいでしょう。立ち止まっていると何度も襲撃されます。悪いのは縄張りに、またはハヤブサの巣に勝手に近づいた人間と思ってください。NZファルコンに罪はありません。


(マウントクックのシャレーの屋根で一休みしているNZファルコン)


(ギブストンバレーのワイナリーで車にはねられ傷ついて飛べなくなったところを助けられたNZファルコン。このファルコンはこの後クイーンズタウンのKiwiBirdlifeParkに運ばれ手当てを受けた後約2か月後には無事このギブストンバレーで放されました。)


(ニュージーランドファルコンの襲撃、その1.このビデオを撮る前にすでにつがいでの襲撃を食らっています。離れていく際に撮り収めた映像です。非常に画像が悪いので分かりにくいのですが、ほぼ目線と同じ位置で真正面から襲ってきてます。)


(ニュージーランドファルコンの襲撃、その2.時間的には上の映像の続きです。この映像でのアタック一回目はかなり目の前まで迫ってきてました。皆さんもこの鳴き声を聞いたらちょっと警戒してください。)
このエントリーをはてなブックマークに追加