クイーンズタウンから南に1時間弱ほど車で走ったワカティプ湖の南の端にキングストンという人口250名ほどの村があります。ここから牧場の中を観光用に走らされる蒸気機関車のキングストンフライヤー号の運行が再開したのです。
この小さな村唯一の観光アトラクションとしてニュージーランドの中ではかなり知られたビンテージ物の蒸気機関車だったのですが、2009年11月に村が第3セクター的にこの運行を行っていたのが破たんして約3億円ほどの負債を抱え管財人管理になりました。その後この機関車、そして線路や駅舎や蒸気機関車が走り抜ける土地も含めてオークションサイトに出されたこともありアメリカ人が興味を示しているなどのニュースが流れたりもしましたが、ついに少年の頃にこのキングストンフライヤー号を見て育って、今はマルボロのほうでワイン用のビンヤードを運営している人がこれをまとめて買い取り、昨日の10月29日(土)から復活することになりました。
キングストンの村から14kmほど南へと牧場の中をこの蒸気機関車は走りぬけフェアーライトといわれる小さな駅舎のあるところで折り返しキングストンへと戻ってくる往復運行を一日2回、この11月から4月の下旬まで行われる予定です。このキングストンという小さな村はクイーンズタウンからミルフォードサウンド又はテアナウへと向かう際に必ず通る国道沿いの村で、時間が合えばキングストンフライヤー号が牧場の中を走る姿が国道6号線を車で走りながらも併走して見られることもあります。乗客はキングストンから往復乗車はもちろんのことフェアーライトまでの片道、もしくはフェアーライトからキングストンまでの片道を乗車することが出来ます。だから以前は欧米からのツアーバスがテアナウへ向かう際とかテアナウからクイーンズタウンに向かう途中にこのキングストンフライヤー号にツアー客だけを乗車させることも見られました。
片道30分、往復では1時間半ほどの蒸気機関車の旅ですが、4から5車両ほどあるそれぞれの車両が違っていて革張りの座席の1等車両、昔は英国王室用にも使われたという個室車両、食堂車両、そして昔は郵便を届ける役目も果たしていた貨物車両などもこの蒸気機関車に乗車している間に見て回れます。
今年の夏はクイーンズタウンにまた一つ面白いアクティビティーが加わりました。
(キングストンの村にあるキングストンフライヤー号の出発駅。けれど駅らしい建物は全くありません。)
(フェアーライトの駅舎も一日2回だけ使われる小屋のような建物。ここでキングストンフライヤー号が方向変換する為に行われる連結作業の様子はこの蒸気機関車に乗る人にとっても一つのハイライトの時です。)
